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グリーンブックのvjcortaroのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
映画が始まる前のタイトル画面に表れる翻訳:戸田奈津子の文字は狙いなのか。観客皆さん反応してた。これが画面下部に書かれる最初の文字っていう笑 ここからこの映画に没入させられました。
いわゆる差別を反対する映画を予想してると面食らうかもしれない。差別描写は史実に基づいてるんだろうし(事実だしね)真摯だけど、コメディ路線で進行するのですんなり現代に生きる我々にはいってくる絶妙な語り口。白人黒人の話であり、歴史と現代芸術、教養と富、努力とその日暮らし、いろんな背景が重なってのドクとトニーの話なんだっていうのが丁寧に語られるんです。
で、これ音楽映画でもあるんですよ。映画の後半で、話はいらないからピアノ弾きなよってバーの女の子に言われて演奏するシーンがあるんだけど、うわ、楽しそうってなる。差別って、すると自分が損をするんですよね、って思うわけです。
印象に残ったシーンは『教養のために金持ち白人は俺の音楽を聞くけど、食卓を囲まないんだ』と絶望しきってるドクに、トニーが普通に食事に誘うシーンですね。
鑑賞後の溢れる多幸感はラブコメで培った監督陣ならでは。
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