うい太郎

グリーンブックのうい太郎のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.5
「イミテーションゲーム」とか「パレードへようこそ」とかの、実話を元にした映画によくあるラストに文字で登場人物のその後を伝えるアレ、大好きなんです。
だからすごく残念。
本当に…?ドクターの遺族から訴えられて友達じゃなかったとか言われてますけど…?てなるの、興醒めも甚だしい。

製作陣には、ちゃんとドクターの遺族側からも話を聞いておいて作ってほしかった。
たとえ映画の結末が違くなったとしても。
それが実在の人物に対する敬意というものだからです。

感動ポルノと同じになっちゃってるんですよね。
マジョリティの感動や満足感ために消費されるマイノリティ。
支配層の優しい指導役として現れる被支配層。
クソくらえですよ。

本当のことばかりじゃ映画は作れない、それもわかりますけど、だからといって遺族の気持ちを踏みにじっていいことにはなりません。
ドクターのこと、マジカルニグロとして体良く使ったから訴えられてるんですよ。

そもそも「友達だった」といいつつツーショットではなくて二人別々の写真の時点でお察しですよ!
ああ、訴え通り本当に友達じゃなかったんだな!てなりますよ!


タイトルが元々「Love letter to Dolores」だったこととか、黒人を半分招いた試写でも反応は良かった話とか、Wikiでトロントの人種比率とかを知ると、ああ、そうやってここまで来たんだなとは思います。
でも、タイトルを「グリーンブック 」にした時点で、もっと真剣に考えなきゃならなかったんです。
アカデミー作品賞をとらなければここまで騒がれなかったなかっただろうと、少し可哀想になります。
でも「Love letter to Dolores」じゃあ作品賞取れなかったとも思うので、まあ自業自得ですよね。


正直、何も知らないまま見たら、きっと「良い映画だったね、すごく泣けたね」で終わったでしょう。
でも、それは無知と同じです。
そういう意味では、批判が上がって、批判があることを知って良かった。
私はそう思うし、そう思わなければいけないと思います。
見終わった時に、ヘアスプレーのエンディングソングを思い出しました。
「I know we've come so far, but we've got so far to go(ようやくここまで来たけど、まだ道のりは長い)」
ここで立ち止まったらダメなんだよな!





こんな長い感想はじめて書いた。
後日、ケンタッキーを食べました。
ちゃんと美味しかったです。

2019/3/20 最終編集
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