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グリーンブックのnatiのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
良い映画だったな、、、
じわっと優しい映画でした、、、
余韻、、、


でも
「これは決してフィクションではない」
と劇中何度も思ってその度にぐぐっと刺さって苦しくなった。
なんで?と思うような差別もあの当時はしきたりとして蔓延っていたわけで、そのなんで?が劇中で爆発する瞬間が映画として素晴らしかった。





"複雑な世の中"に生きる立場の違うふたりが、出会って認めることによって今まで抱いていた価値観に変化が訪れてお互いに少しずつ今までとは違う一歩を歩めるようになる

歴史が大きく動くわけじゃない
現状が変わるわけでもない
それでも誰かの"勇気"が少しずつ誰かの何かを変化させていくんだなと思った。

Dr.シャーリーが保つ品位の体現とその中に隠されている彼の葛藤が痛く伝わって素晴らしくて泣いた。これまでの彼の苦労と決意が品格に滲んでいて、彼がみせる表情に多くの意味が感じられ、特に思いを吐露するシーンは素晴らしくて嗚咽で声が出そうになった。

それからショパンのOp.25,No.11『木枯らしのエチュード』の前奏が聞かれた瞬間に涙腺決壊。
ふたりの笑顔がすごく素敵で、そんなんずるいよって泣いた。

奥さん可愛かったな。
ラストもとても素晴らしい。
好きだったな。




好きなシーンは沢山あるけどやっぱり木枯らしのエチュードが最高だったし、
全体として大きな事件が起きるとかではなくひとつひとつの台詞が、会話が、のちにきちんと作用して"事件"や"出来事"になっていく様が素晴らしいシナリオだなぁと思った。


Dr.シャーリーを演じたマハーシャラ・アリは「ムーンライト」の彼だったとは…!!また好きな俳優さんが増えたうれしみ。彼のお芝居に泣かされた、素晴らしかった。

そしてDr.シャーリーの生き様を尊敬するしすごく好きだなと思う。彼の音楽を沢山聞きたいと思った。それから彼が影響されたと劇中に挙がるナットキングコールに起きた出来事についても調べたいと思った。

それからだいすきな映画「ドリーム」を再び観たいと思った。

良い映画に出会えた幸福感。
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