性格も、肌の色も、まったく異なる男たちのウェルメイドなロードムービー。すれ違いながらも、互いに絆を深めていくという王道のプロットは、爽やかで心地よい。
本作で孤独な天才ピアニストを演じ、二度目のオスカーに輝いたマハーシャラ・アリは素晴らしい。
しかしそれより驚かされたのはイタリア系の（運転手兼）用心棒を演じたヴィゴ・モーテンセンの見た目と演技。まるでマーティン・スコセッシの映画から飛び出して来たかのようなキャラクター。思わず「モーテンセンってイタリア系だっけ？」と、出身を調べてしまったほどだ。
ピーター・ファレリー（ファレリー兄弟）と言えば毒のあるコメディが多い印象だが、本作は実話ベースで無茶はしないものの、伏線をしっかり張って、丁寧に回収していく脚本が見事。
