粗野な白人男と、インテリで礼儀正しい黒人という人種のステレオタイプを逆手に取り、移民や黒人という当時の社会的弱者たちの人間的な生き様を軽快に描いた作品。
イタリア系移民の歴史や黒人とチキンの関係性、南北戦争などの知識がないと分かりづらい部分もあるが、マハーシャラ・アリの『ムーンライト』とはまた違った魅力を堪能できる。
アメリカだけでなく、日本にも言える事だが、人種主義、民族主義、ホモフォビア、宗教対立など、何かと対立と分断の最中にいる我々にとって、友情の間には遮る外的ファクターなど存在しないことを改めて認識してくれる素晴らしい作品だ。