Pandano

グリーンブックのPandanoのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
白人に音楽は評価されても、黒人としての差別を受け、トニーのような大家族の温かさも望めないで生きているドン・シャーリー。
どこにも属せない孤高の天才とイタリア移民の運転手を通して、ユーモアを交えながら深刻なテーマを観客に語り掛け、最後にはほっこりとした気持ちで締めくくり、作品賞も納得と思っていたけれど・・・。
今だに人種差別のなくならない世の中で、この作品に対しても「白人目線の映画」との指摘もあるとのこと。
納得できない心情の人もいるのか、と改めて人種差別の根深さを思う。

ところで、YouTubeでドン・シャーリーの演奏を聴いてびっくり!!
本当に素晴らしい!
映画の中でも演奏はあったけれど、自分を強くアピールするような曲が選ばれていたように思う。
もちろんそれは必要なことだけれど、彼のー Orpheus in the Underworldーはラフマニノフかと思うとバッハやドビュッシーをも彷彿とさせるし、映画の中のコントラバスとチェロのトリオも、なぜ?という感じが拭えなかったが、YouTubeで聴いたその編成はとても斬新!
彼が正真正銘の芸術家である、という描写をもう少し落ち着いて見たかった気もする。
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