天才的な技術をもつ黒人ジャズピアニスト・ドクターシャーリーと、ドクの南部横断ツアーの運転手兼用心棒に採用された無教養で粗野なイタリア系アメリカ人・トニーとのロードムービー。
今回の舞台になったアメリカ中南部には訪れたことがあるけど、数十年前まで黒人というだけで差別を受けていた時代があったなんて旅行してた時には全く思わなかった。
そのような時代のなか、差別に立ち向かう武器として身につけたドクの教養と品のある立ち振る舞いは、とても努力が必要だったと思う。
そのドクが、トニーとの旅の途中での雨の中での独白、弱さをみせられ胸がギュッとなったし、ツアー最後でのピアノ演奏で見せた、自分の居場所を見つけたかのような笑顔、その対比におもわず「よかったね」と涙ぐんでしまった。
差別を描いているもの、二人の友情、会話のやり取り、道すがらで出会った人達の優しさにふれて、観ているこっちにも優しくなれるような作品でした。