人種差別という重いテーマでありながら、意外とコメディやギャグも多く、笑えるシーンもある。
それと対比して、差別されるシーンはとても心苦しく、胸が締め付けられた。
中盤、ドン以外の黒人がわかりやすく人種差別を受けているシーンがあるが、その他は気をつけていないと見逃してしまいそうな、ごく自然に画面に溶け込んでいる差別があり、とくにそれを説明する訳でもなくセリフがあるわけでもない、些細な差別が所々にあって、ああ、これが差別か、と痛感させられた。
差別している人はわざわざ差別していると言わないし思わない。それが普通だと考えているからだ。その描写があるだけで、当時の人種差別がどれほどのものだったかがわかった。
入ることが出来ないホテルやトイレ、レストラン、法律で禁じられた夜に出歩くこと。
彼らが受けてきた差別や苦痛を私達は計り知ることはできない。どれほどのものだったんだろう、と胸が痛くなった。
ドン·シャーリーを演じたマハーシャラ·アリは、ピアノ演奏シーンはほぼ吹替えなし。指先が綺麗で繊細な演奏だった。すごかった〜
トニーがツアーを通して変わっていく様がごく自然で、2人のテンポのいい会話も心地よかった!アカデミー賞作品賞なのも納得!130分と少し長めの時間だけど全く長いと感じなかった。素晴らしい映画でした。