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グリーンブックのTmtmrのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人種差別というテーマをユーモアを交えながら、テンポよく描いている。まだまだ黒人差別のあるアメリカでは批判されていたようだが、私たち日本人からみると、どれほど理不尽で愚かな問題なのか分かりやすく描かれている。この事実を知れるだけでも、観る価値のある映画だ。

人種差別が根強かった1960年代のアメリカ南部がどれだけ理不尽で愚かだったか理解できた。グリーンブックとはアフリカ系アメリカ人の旅行者用のガイド本のこと。当時のアメリカ南部はジム・クロウ法によって、時代錯誤的で露骨な人種隔離が盛んに行われていた。公共の乗り物やホテル、トイレ、映画館など、黒人は白人とは別の施設や入り口や席を利用しなければならなかった。そんなガイド本が存在するというだけでも差別的だが、差別が当たり前になっている社会においては、アフリカ系アメリカ人の助けになるようなものであったことは事実ではあるだろう。

この映画は『ジム・ キャリーはMr.ダマー』(1994年)や、『メリーに首ったけ』(1998年)など、いままでお下劣コメディー映画を手がけてきたピーター・ファレリー監督・脚本作である。本作は落ち着いたトーンによって、いつもの過激ギャグを抑え、控えめなバランスでドラマが描かれていく。
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