おこめ

グリーンブックのおこめのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
"上品"。。この言葉に尽きます。。

マハーシャラ・アリ!めちゃくちゃ最高の演技!!感情を抑えている中に時より魅せる感情の変化!素晴らしかった!
ヴィゴ・モーテンセンもハマり役!!最高でした!!

主人公2人のキャラの圧倒的確立。
ストーリーも人種差別がまだ色濃く残る地域への旅という事で、観てる側への投げかけるメッセージ性がめちゃくちゃ強いし、それだけじゃなくて、ドクがただの黒人として描かれているわけじゃなくて、裕福で自分は他の黒人とも違って仲間がいないしゲイでもある。。という孤独のキャラ造形(実話なのが重い。。)

[トニー]
明るい、すぐ手が出る、貧乏、教養無し、白人(でも純粋なアメリカンではない)、黒人嫌い(冒頭のコップ捨てるシーン)
[ドク]
どこか闇を抱えている、暴力反対、超リッチ、教養あり
〔キャラの二項対立〕

・ドクがスーツの試着を拒まれたシーンから次へのジャンプカットが力強くピアノを弾くシーンへと→怒りの演出
・今まで人と親しくなる事を何処か避けていたドクが気づけばトニーとお酒を交わしながら生い立ちを話す。
・フライドチキンを食べながら距離が縮まったと思えば、トニーのドリンクのポイ捨ては見逃さないドク
・貴族の白人の前でピアノを弾く事が自分を唯一肯定できる手段だった音楽。それが皆(黒人)が心から楽しんでくれて、自分自身も楽しいと思える音楽に出会えた瞬間→黒人バーでのセッション
・黒人専用のバーでセッションが終わったところで、盗っ人を銃声だけで追い払うシーン→スマート◎「やっぱり銃持ってたのか」

雨の中で内的葛藤をぶちまけるドクのシーンは名シーン過ぎる。。

最後は手に入れた"勇気"で一歩を踏み出すドク。トニーのパーティーに現れるドク。

2人の掛け合いの面白さや音楽の効果もあって重くない雰囲気が常に流れてる中で、不意に突きつけられる現実。。その現実が突きつけられる度に絆を強くするトニーとドクに本当に魅せられる。。

トニーの家で始まりトニーの家で終わる。
トニーの家で黒人嫌いな一面がトニーに見えて、トニーの家に帰ってきて黒人とハグするトニー。
始まった場所に最後は戻ってくるというお手本のような映画構成◎

パトカーで取締りしてる白人が2回目にはパンクを指摘してくれる善良な白人が出てくるところも一方的に白人の悪さを描いてなくて◎

こうなるのかなぁ?という予想が見事に全てスマートに覆されました。。上品で面白くて感動出来て最高な映画!
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