最強のふたりの黒人と白人を入れ替えて、レインマンみたいなロードムービーにした作品ですね。フライドチキンを窓から投げるシーンがかなり良いです。あと変な邦題にせずグリーンブックのままにしてくれたのがありがたいです。
とにかく黒人というだけで（現代の価値観から観たら）めちゃくちゃひどい連中が次々と襲いかかってくるのでピンチを作る演出には事欠きませんが、どうにもそのあたりがずっとおんなじことばっかりやってる映画だな〜という安易な感じがちょっと残念でした。別にこの映画に向けて限った話ではないのですが、ステレオタイプ臭が強くなってくるとどうしても描かれてる問題から一歩距離を置きたくなってしまいますね……悲惨な面を強調されすぎるとそれが現実に起きていることだという実感を持てなくなるというか。社会派作品について回る問題なんでしょうけど。
二人の友情の描写についても既視感がわりと強く、全体的に良くも悪くも教科書的という感じでした。ここがダメだぞということもなく、全体的に穴がないいい出来なんですけどね。今ひとつハッとさせられる部分が無かったような印象はあります……でも細部まで丁寧な作品であることは間違いないです
