アンナ

フロントランナーのアンナのレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.0
 硬派でストイックなノンフィクション。
 1988年アメリカ大統領選挙の話で私もこの時期に生を受けてはいたもののゲイリー・ハートという政治家の名を知りませんでした。ただそれだけ埋もれた政治家であれば、なにかものすごい事をした人に違いないと思いきや、まあ大統領候補になるぐらい凄腕の政治家という以外は、あと女好きという以外はそんなにドラマティックな経歴を持つ人物としては描かれていませんでした。ここで描かれているのは、ハート議員の不倫がバレ、有権者がそのスキャンダルに飛びつき、大統領候補を追われるまでの緊張感と焦燥感。それはおそらくアメリカ大統領候補者ならずとも、世の一般的な不倫好き男性も共感できるところが多いのではないでしょうか(私には一切無関係な話ですが)。
 1988年大統領選をリアルに知っている世代は楽しめるかもしれません。実際、映画館で私の近くに座っていた初老の白人夫婦は時々歓声を上げていました。
 しかし、エンタメとしての脚色もかなり抑えてストイックな構成なのでバリバリのエンタメを求める方には向かない映画かと思います。
アンナ

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