垂直落下式サミング

ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー) 〜ルフィと4人の仲間の大冒険!!〜の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

4.0
幼ルフィ「俺のパンチはピストルより強いんだぞ!」
シャンクス「銃を抜いたからには命を賭けろよ」
10年後ルフィ「ゴムゴムの銃(ピストル)!」

「ピストル=覚悟」というモチーフの繋げかた。作劇が完璧。これにつきる。ホントすげえな。総集編でみて、はじめてストーリーの文学性に気付いた。やっぱ、ワンピースの神回第一位は第一話だと思う。
これが、完璧な漫画ってやつでしょう。旅立の日に海の男としての初白星をあげるルフィ。技名からこちらに伝わる覚悟、連れていってもらえなかった弱い自分との決別、そんな様々な感情を胸に、かつての少年はこの海に挑戦する資格を得て、憧れの男たちと同じ冒険の舞台に名乗りをあげたのだと読者に示す、完璧なスタートを切った連載漫画作品だと思う。
最近は、またワンピース熱いから考察系ユーチューブを何人かみてるんだけど、このキャラクターはこれからどうなるとか、ならないとか、そういうのしか言ってくれない。僕が感じてる面白さは、そこじゃないんだよ!
何本ものながーい紐があとで繋がってくるのは、それはそれで面白いんだけど、尾田栄一郎先生の才能の一方向でしかないですよ。少年マンガの縛りのなかで、ホンモノのヒューマニズムを描けているのが、尾田先生の一番スゴいところだと思う。