峯田和伸さん原作なので大甘にみてしまうはずなのに、それでもモヤっと違和感が残るのは何故なのか?
一番の原因は石橋静河さんのキャスティングだと思います。石橋さんはこれまでのフィルモグラフィ的にも高慢なキャラをやってこそみたいなところがあるので、峯田的世界観が描こうとする女神キャラを演じちゃうとどうにも具合が悪い。
清原果耶さんが成長したら石橋静河さんになるっていうのもかなり無理があり、なんなら清原さんがそのままヒロインでもばっちり演じられたような気がしてしまう。
いちいち主人公のことをフルネームで呼んだり、「わかってないなぁ」みたいな仕草をしたり、おそらくこの辺が峯田さんのツボにぶっ刺さってる「お姉さん感」なんでしょうが、石橋さんがやるとただの諦観&見下しキャラに見えちゃうんですよね。
終盤、石橋さんの彼氏らしき人物に主人公が「彼女を大切にしろよ!」とハイパー理不尽にキレ散らかす場面があるんですが、「いや男連れ込めるんかい」という肩透かしとともに、なんかあの彼氏こそ石橋さんに弄ばれてるような気もしちゃって不憫でなりませんでした。もう少し彼氏側のクソムーブを徹底的に出してくれないと、石橋さんの自信満々オーラには到底かないっこありません。
そこまで作品の印象をガラッと引っ張ることができるのもかなりの資質だと思うので、本人の希望かあんまり演じることがない胸糞系映画における悪女の役とかでふっきれてる石橋さんこそ観てみたいです。
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一方で主人公まわりを取り巻く環境については、なかなかぐっとくるものがありました。
数々の匂わせから主人公がただの天真爛漫ではないことは明白ですが、そのことまで想像するといちいち涙ぐんでしまう和久井恵美さん光石研さんのご両親から私も何度かもらい泣きしてしまいます。
あと単純に峯田さんのためにこんなに超豪華なカメオ出演陣が集まったというだけでも、ファンとしては胸熱でした。