Iri17

華氏 119のIri17のレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
4.0
『華氏911』『ボーリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーア監督作品。説明が分かりづらいものの、見応えのあるドキュメンタリー。

民主党の腐敗、共和党の異常さ、二大政党制の欠点が見事なまでにダメージを与えているアメリカ。正直言って共和党はまともじゃないし、トランプはもっとまともじゃない。それでもトランプが大統領になってしまったのは民主党が民意を反映しない選挙システムを行使して、反主流派のバーニー・サンダースを大統領候補に擁立しなかったことにある。まともなアメリカ人、特に若い世代は軒並み社会民主主義者であるバーニー・サンダースを支持していた。彼こそ唯一アメリカをまともに出来る希望だったからだ。しかし、民主党は党内事情でウォール街の手先であるヒラリー・クリントンを選出した。これでは民主党支持者は選挙に行かなくなるだろう。

そしてフリント市の水道民営化。水道水は飲めなくなり、公害が起こった。まさに金にモノを言わせた非人道的な悪魔の所業である。日本でも水道民営化法案が可決した。これは麻生太郎の娘婿が幹部を勤める会社に水道を売り渡す、まさに水道利権なのだが、さほど問題にならず可決してしまった。

この映画を観てアメリカはなんて酷いんだと思った人もいるかもしれない。しかし正直に言えば日本はアメリカより酷い状況だ。アメリカの若者は自分たちで腐敗した大人たちに立ち向かっている。声を上げて窮状を訴えている。
日本はどうか。殆どの若者は政治に無関心だ。政治の話なんかしたら真面目でつまらない奴というレッテルを貼られる。芸能人が政治の話をしたら業界から干される。政治の話は「公序良俗に反する」とも言える凄惨たる状況だ。日本人の政治への忌避感は歴史的、哲学的に大きな理由があるのだが、長くなるのでここでは書かない。でも僕は真摯に訴えたい。日本人よ政治に興味を持て!何を支持するかはその後だ!
こんな国ではアメリカ以上に希望がない…
Iri17

Iri17