torisan

華氏 119のtorisanのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.5
入りのヒラリー陣営の高揚感の映像、印象的だったな。自由の国アメリカで、ついに女性大統領が誕生するんだという高揚感。

でも現実は、レイシストで女性差別主義者で拝金主義者の下品な顔したおっさんが、ヒラリーを負かしてアメリカ大統領になる。メディアも初めのうちは冗談ぽく面白がってるうちに、現実になってしまった。

こうやって単純化すると、なんでそんな馬鹿な事が?と思っちゃうけど、やはり掘り下げていくとそんな単純な事じゃないんですね。民主党、共和党、そんな事を超えて、脈々と染み渡った政治への失望、無関心が凄かった。ミシガンの人たちがオバマに失望するくだりは、キツかったなあ。

緊急時は独裁者が生まれる土壌が育つ。コロナさえ利用するトランプ、再選するのかなあ。良くも悪くも凄い悪運持ったノーガードなおっさん。

それでもこういう映画が、ちゃんとメジャーで公開されるアメリカ。問題も多いけど、エンタメを通してでも知る機会や学ぶ機会もちゃんと多い。

ゴシップニュースばかりで、芸能人が政治的ハッシュタグ一つつけただけで冷ややかに嘲笑される昨今の自国と、ちょっと比べてしまった。
torisan

torisan