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華氏 119のとぽとぽのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
4.0
今ならまだ間に合う --- 本当の意味で目を覚ますべきときだ、と。怒れるマイケル・ムーアが今回もやってくれた。尖っていて強烈、けどそれが何より僕たちが本来目を向けるべきリアル。実際に起こってきた(いる)衝撃の数々で僕たちを揺り起こす。トランプを現した腐ったシステムに、人々の権利や命を平気で踏みにじる権力者たちを生み出すアメリカという国家・世界そのものを告発する。本当になんで大統領になれたのか不思議でならなかった、けど本作を見るとここには耳を疑う話ばかり出てくるが、そこには政党も超えてトランプが大統領になるまでの土壌・道筋を作った過ちの数々があったことが明確に語られている。腹立たし過ぎて気が触れてしまいそうだ、事実は小説より胸糞。思っていたような終始トランプを個人攻撃するような作品というよりも、彼以前の先人たちの過ちの積み重ね含め、そして無論彼が結束でなく分断をもたらした結果惨状が増した大局的な政治問題の数々を取り上げていく。それは声を上げても多くは力によってねじ伏せられてしまうものだ --- 水の鉛汚染問題、教師、絶えることのない学校内での銃乱射事件などなど。そして、そんな現状がナチス・ヒトラーはじめ過去のファシストと同じ独裁政権に向かっていることを如実に語る。いつ状況を変えられた、手遅れになる前に?
「そこに黒人連中がいる、ブチのめせ! 裁判費用は私が出してやる」昨今の状況と酷似している、こんな歴史まで繰り返してしまうのか。(ヒラリーを批判した)テレビ局のトップは性犯罪者ばかり、下劣な男どもだ。トランプもまたお気に入りの娘を性的に見ており、気持ち悪い言動を重ねてきた。そして公然と罪を重ねてきた人種差別者の女性軽視。彼のお友達の無能な金持ちからなったミシガン州知事スナイダーは権力を掌握するために緊急事態だと言い、金儲けするためにフリントの水源を湖から川に替えて、市民に鉛入りの水を飲ませ深刻な健康被害を知った上で故意に続けた犯罪者だ。市は分かった上で水質汚染問題を長期間隠蔽し続けたのだ、死者がどれほど出ようとも。その一方で、多額の献金など自分たちの保身に必要なGMの水源"のみ"綺麗な湖に戻した。こんな馬鹿げた話が今の時代にまかり通っていることが本当に驚きだし激怒。ここでは様々な実際の映像やデータを元にアメリカが本来はリベラルな国であると証明され、選挙人制度の時代錯誤さも疑問視。なぜ国民の75%はリベラルで、過去30年の投票でブッシュの一度以外ずっと民主党は勝っているにも関わらず、50州の内8州でしか与党でないのか。それは共和党が富裕層を取り込んでいるから、一方で民主党の唱える理想やその賛同者は低所得者など。その金銭的余裕の明確な差。と同時に民主党の過ちも告発する。もはや市民の票は関係ないのか? だから、民主党支持層がそんなことするから人々は離れてしまうのだ、と。今や1億ほどの無投票層が実は最大の党。傑作ドキュメンタリー『13th』と本作を見て、ビル・クリントンがいかに誤った愚かなことを進めたかを実感した。オバマもやばい。事前通知もなくフリントで演習・実践訓練、恐怖でしかない。これじゃテロそのものだ。そして結局、献金者たちの顔色や甘い汁は無視できないってことか。当たり前だけどみんな選挙に行こう

LEFTIST "compromise" 世の中に変革を!"WE WANT CHANGE!!" ←中学生たちが「私達が落選させるから」
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