Octahedron

華氏 119のOctahedronのネタバレレビュー・内容・結末

華氏 119(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

トランプ当選直後、日本でもデーブスペクター等が「トランプなんかあり得ない」「あんなの大統領じゃない」とテレビで堂々と言っていたのが妙に印象的でよく覚えているが、無知だった私は具体的にどういうところがあり得ないのかよくわからなかった
その後話題になった「炎と怒り」という本を読んでみたりしたが、そこでようやく「あり得ない」の意味が理解できたように思う
トランプの行動原理は金稼ぎと目立つことだけ 控えめに言って化け物であり、本映画でヒトラーと比べられている理由がよくわかる
北朝鮮に圧力をかけたりしていたころは何かをやってくれる人なのかと少しは期待したが、今となってはただのパフォーマンスだったのだとよくわかる 誰もやらなかったことだからこそやれば注目を浴びる パフォーマンスも何度もやれば飽きられてしまい、やる意味もないので最近はあまり北朝鮮に興味がないようにも見える
温室効果ガス排出量を抑える努力などは金にならないし大して注目も浴びないからやらない 
コロナウイルスを恐れてマスクを付けるなど、自分が弱く見えるのでやりたくない
たとえ相手が「環境」や「病気」であったとしても、何かに屈するのが嫌なのだろう 全ての発想が自分を中心としており、世界一権力を持った自己中である
トランプ自体もそうだが、トランプが当選してしまった社会そのものも恐ろしい トランプの異常さがわかればわかるほど、なぜこんな人間が当選できたのか考えてしまい、世の中はそれほどまでに嘘で汚染されているのだと絶望する
日本も安倍晋三がトランプと仲良くしているアピールが多いが、そこにも恐怖を感じる 結局日本は戦後からずっとアメリカの子分なのだと実感する
そして日本からはこの映画に出てくるような若者は現れないと思う 日本には「運動」の文化がなく、何より狭い国なので出る杭となればすぐに叩かれてしまうので誰もやりたがらない いじめに何も言わずぐっと堪えるいじめられっ子のような立場を貫くだろう
アメリカが狂ったときは日本もついでに狂ってしまい、それを止める力はどこにもない チンピラで薬中の知人に勧められた薬を拒否すると後が怖いからと、なあなあで薬をやってしまうのが日本であると思う そう考えると今私たちは恐ろしい状況にいる
正直トランプ再選は勘弁してほしい 何もできないがアメリカ国民には頑張ってほしい
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