100HEARTS

津軽のカマリの100HEARTSのレビュー・感想・評価

津軽のカマリ(2018年製作の映画)
4.0
目が見えないなかで、三味線持って北海道東北を渡り歩くのは大変なことだっただろう。飢饉の話の後に、「食う為に津軽三味線を弾いた」という話聞くと、苦労した体験が音に出るものだとしたらこの人の音にかなうわけがない。とはいっても高橋竹山の撥を叩きつけないの澄んだ音色と、勘所を外さない正確な音色は純粋に繊細で美しいと思う。沖縄県に青森出身の戦没者慰霊碑みちのくの塔があるのは初めて知った。

駄目になった竹山も聞いてくれという強さ。およそ70年間津軽三味線と共に歩んできた竹山の晩年の演奏はグッとくるものがあった。「人間生きてるうちに旨いもの食ってあまりくよくよすんな。どのみち死ぬんだから。」弟子の人たちが言う、優しく滑稽な人柄がインタビューににじみ出ていてよい。
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