ka

ジョーカーのkaのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

DCのヴィランズを代表する狂人、ジョーカーが狂ってしまうまでの半生を描いた前日譚。

恐ろしくて、ジメジメしていて、不思議とこちらまで「臭い」が伝わってくるような臨場感があった。
これまで「ヴィラン」として描かれていたジョーカーと異なる点としては、貧困に苦しんで誰からも愛されることもなく寂れていく彼の姿が一番大きいかもしれない。どうしようもなく共感してしまった。もしかしたら私もジョーカーになりうる要素があるんじゃないか?と思ってしまうくらいに。
劇中にで描かれている彼はどの点を取っても「いい人」ではないけれど、現代社会が抱えている貧困の格差(日本では増税によってその気も高まっている感覚はあるし)や少子高齢化、働き口の減少…などなど、今の社会とよく似た世界でもがき苦しむジョーカーやその周りの人々の言葉には頷かざるを得ない部分が多数。

今現在私たちが感じている「お金ない」「仕事ない」「楽しくない」という感覚は、もしかしたら狂気につながっているのかも?


あと、終盤にかけてジョーカーが自分の病気は病気ではなく、「僕自身だ」と認めて踊りだすシーンは若者の中での共通感覚となりつつある「I love myself」と似通っているようにも感じた。


狂気的で、猟奇的で、それなのに近くにいるような感覚を味わえる、恐ろしい作品。


丸の内ピカデリーのドルビーシネマは、さすがの音響、映像!じめっとした雰囲気を五感を伝ってフルに感じることができた。Filmarksさん、ご招待ありがとうございました!
ka

ka