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ジョーカーのDIZのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.7
狂ってるのは私か?世界のほうか?
ジョーカー、君のような人が今この腐った世界には必要だ。

憂鬱と理不尽とどうにもならない怒りが爆発し
ジョーカーが生まれる瞬間は歴史に残る。

これまでジョーカーというキャラクターはクレイジーな悪のピエロでしかなかったが
この作品はジョーカーに共感し、彼の痛みと苦しみを観客もこれまでの人生で味わっていた事に気づき
最後にはジョーカーと燃えるゴッサムの住人のように心が自由を求めて歓びを感じる。

この世界はクソだ!
そう思ったことが一度でもある人なら
ジョーカーは最高のヒーローに思える。

真の悪は誰なのか。

この映画は街に潜む、自分でもまだ気づいていない
自分の中の"ジョーカー"を目覚めさせてしまう引き金になりかねない本物の危険さを孕んでいる。

狂気を生み出す原因は
何気ない日々の中で他人を思いやれない気持ち、人を馬鹿にする気持ち、見下す気持ちが積み重なることだと知った。

世界に溢れる残酷な事件たちも、何気ない日々の積み重ねの中で生まれてしまっているのかもしれない。

私達ひとりひとりが、自分以外の誰かのことを少しでも気にかけることができたら
この世界にジョーカーは誕生することもないのだろう。
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