ヤスヤス

ジョーカーのヤスヤスのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.4
今年観た映画の中で一番良かった。(暫定1位)一瞬たりとスクリーンから目を離したくない、こういう感覚を久々に味わった。
単なるアメコミ由来の娯楽作品を超え、社会から徹底的に疎外され、蔑まれたアーサーが「ジョーカー」になるべくしてなった過程が完璧に描かれている。「バットマン」との繋がりの処理もうまい。
ジョーカー役は、ジャック・ニコルソンとヒース・レジャーのものしか観ていないが、ホアキン・フェニックスが見事に新たなジョーカー像を打ち立てた。笑いをコントロールできない脳の機能障害という設定も良い。
「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」の影響が公言されているが、両作に勝るとも劣らない傑作。デ・ニーロが「キング・オブ・コメディ」のジェリー・ルイス演じる名司会者あるいは「その後のパプキン」を彷彿させる役どころなのも泣ける。
ヴェネチアの金獅子賞獲得も納得の素晴らしさ。もう一度じっくり観たい。
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