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ジョーカーのlenoのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.8
2時間の作品とは思えない弩級の重さ。
その隙間に現れ、育っていく狂気。
その狂気に秘められた美しさが画面の色合いに現れ、芸術的かつメッセージ性もある作品。
もう完全にノーラン作品のジョーカーとは別物。DC作品ではあるけれども、アメコミ作品の括りにしてはダメな気がしました。

とにかく、ホアキンの役作りが素晴らしい
これほんとにherに出てたあの人なの⁈ていうレベルの痩せ具合。それによって、あらゆる不条理に襲われ、ジョーカーへと変貌していく主人公がよりシビアに感じれました。
また、とにかく気味が悪い。近くにいて欲しくはない笑
ですが、彼には彼の美学があり、徐々にそれが正しいのではないか…と引きずりこまれてしまう魅力があります。

富や名声を手に入れた人間は、貧困層や一般人の思考などわかるのだろうか。
彼らが言う「住みやすい世界」とははたしてどれくらいの人達にとっては「住みやすい」のであろうか。

この作品を消費税増税した今の日本で公開すること、なんだかゾクッとしました。

今後の映画史に残るであろう作品だと思います。
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