シソウメ

ジョーカーのシソウメのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
決して「面白い」映画じゃないと感じた。
なのに、こんなに心掴まれるのは何故なのか。

主人公はDCコミックスのヴィランであるジョーカーである。
が、これはただのアメコミ実写映画ではない。
架空の物語であって、そうでない。
そう感じる程にリアルなメッセージの込められた作品である。

人の心や想像力はどんどん貧困になっていき、より主観的に感情的に物事を判断するようになってきている。
自分の正義のみを信じるようになり、他人の立場でものを考えられなくなる。

現代は非常にゴッサム化してきていると感じる。

主観でものを判断する相手に、こちらも主観でヘイトを向けるぞ、と。
優しければ殺さない。
ムカつけば殺す。
自分に正直に生きる、誰もがそう行動しているのだから
誰がジョーカーを批判できるのか。

マジで人に優しくしていきたい。
が、俺だって優しくないやつに優しくする道理はない。

難しい…。

とても良き映画でした。

ホアキンフェニックスは正直、この2019年において積み上げられた「ジョーカー像」の紛れもなく頂点に君臨している。

なんだあのスタイルの良さは!
スーツバチバチに似合ってるじゃねぇか!!
観ながら『早くスーツ姿が見たいよぅ』って思ったわい!!

アカデミー取ってくれても文句ない出来。
シソウメ

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