ざき

ジョーカーのざきのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
やっぱりホアキンフェニックスは半端じゃありませんでした。痩せた身体からなぜか迸るパワーから目が離せない2時間でした。

ストーリーの節々に彼のダンスシーンがあるのですが、私は特に公衆トイレでのダンスが印象に残りました。ジョーカーはとても深くて暗い、どん底に生きる人でした。同情に値する境遇で、実際私も彼に同情して、彼と一体になってスクリーン越しの腐った世界を見ていました。
しかしこのダンスシーンで、やはりジョーカーはジョーカーなのだと、ダークなオリジナルを持った、私とは違う人間であることを感じました。
ジョーカーという人間のオリジンを語るには色々なやり方があったと思いますが、このシーンを見て私は、このやり方が一番だと確信しました。
私達はジョーカーを眺める観客であって、またただ見るだけの傍観者でもあります。終盤のジョーカーの叫びや、印象的なラストシーン、チャップリンの言葉、この映画は悲劇だけど、喜劇に見せるような演出もありました。凄い映画だったなと思います。
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