ホーク

ジョーカーのホークのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
恐怖する映画。
主人公であるアーサーの狂気の爆弾がいつ爆発してしまうのかが分からず、鑑賞時は常に息が詰まる程に緊張し、爆発した時に味わう事となる恐怖は計り知れないが、引き込まれてしまう。

一番の恐怖はこの爆弾の導火線に火をつけるきっかけとなる、アーサーを取り巻く環境だ。この環境は映画の中の人物のみに発生する環境ではなく、現実に多数存在する環境と全く同じものになっている。その環境とは格差・政治・職場で起きる不平や不満であり、誰もがジョーカーになる可能性を示している。この不平不満が爆発するのは映画だけの出来事に思えないというのが、非常に恐ろしい。
デモ・上流階級の存在・虐待と聞けば、最近のニュースに連想されるだろう。そして、この映画を見て考える
「爆弾に火はついたのか?もう爆発してしまったのか?」と。

社会問題を反映させるという内容では、「タクシードライバー」「ナイトクローラー」を思い出させる。これらの映画で何か思う人は絶対見るべき映画だ。

小難しい映画がとる賞や、批評家の高評価で自分の様に敬遠してた人もいるかもしれない。ただ、メッセージは分かりやすく(精神的に辛いが)感情移入もしやすく、見やすい映画だと思う。
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