ハンダゴテゴテ

ジョーカーのハンダゴテゴテのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

誰もが知ってる最凶のヴィラン、ジョーカーの過去に隠された、1人の男が社会によって狂わされる悲しいオリジン…

ではなく、例えバットマンがいなかろうと、悲しい過去があろうと、ジョーカーはジョーカーだし、誰にでもある狂気というものは先天性であり、普遍的だよ。という彼のキャラクターの持つ大前提としての「狂気」のオリジンとなる作品。

それ故にジョーカーという男がこれまでで一番人間らしく、時には彼の行動原理に共感出来てしまうような感覚に陥る。
彼はあんなにも狂っているのに。
そうして、どんどん彼の主観(半分妄想に近い、というかジョークそのもの)の世界にのめり込んで行くと、
最後にカウンセラーに対して、彼が
「面白いジョークがある。」
「でもあんたには理解できないさ。」
ガーンと頭を打たれる。
理解できてしまった!彼の狂気が!
彼の行動が!彼の世界が!
だからこの「ジョーク」は「危険」なのだ。


メタ的な目でみると、同じく普遍的な狂気を描いたロバートデニーロ主演の「タクシードライバー」「キングオブコメディ」のオマージュが随所に散りばめられていて、そこも本作のテーマの裏付けになっている。正に大傑作。