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ジョーカーのすごいものレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8

誘い笑い

バットマンに出てくる悪役ジョーカー。ジョーカーになる、過程のお話です。

なんだか「13の理由」を見た時のような「大変なものを見てしまった」という思いで、体が重いです。

ジョーカーは発作的に笑っちゃうんです。まさに悪役の高笑いみたいに。これがわけのわかんないタイミングでやっちゃうからキモチ悪がられる。漫才ライブなんかに行くとガチファンがいるじゃないですか。あの人たちは芸人さんのライブを観尽くしててネタの入りとかで笑っちゃうんです。あれの比じゃない。大オチ聞いた後みたいな笑い方を突然する。芸人殺し。

芸人を殺しながらジョーカーは自問するんですよね。

狂ってるのは自分か、世間か。

ジョーカーを苦しめてくるのは世間、街なんですよね。ゴッサムシティ。景気が悪いんでしょうね、あの街は。ゴミ処理業者がストを起こして街がゴミだらけみたいな。消費税でも上げられたんでしょうか。ジョーカーみたいなコメディアンじゃない、普通の職でも怒り狂って。あの街では市長とか搾取する側に回らないと苦労するでしょうね。

それでもジョーカーの苦悩は特段。笑ってるのに喜びの感情が感じられない。落ち込んだ時は無理に笑うと元気になるとか言うじゃないですか。そんなんじゃ絶対に効果でない悲壮感。一発目の笑うとこから笑ってんのに色々想像しちゃって涙を誘う。誘い笑い。誘いなきか正しくは。アカデミー賞作品賞は分からないけど主演男優賞は行くよね。

脇役には僕の今1番大好きなドラマ「アトランタ」から2人も出演。ペーパーボーイとヴァン。素のテンションのブライアンタイラーヘンリーがお目目くりくりで可愛い。ザジービーツは売れまくっててしょっちゅうみる。銃の真似のしっくりくる感じ。そりゃ売れるよ。

治安の悪さとかアトランタとゴッサムは通じるところがある。

ジョーカーはコメディアンを目指してて元からピエロメイクをしていました。辛いことがたくさんあっても自分を偽って我慢してたんです。メイクで隠すように。我慢をやめた時の爆発力。

ふっふっふっ、ははははははははははははははは。

あー。
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