貧困、社会的弱者、孤独、嘲笑、不条理、無関心。
アーサーを取り巻く環境はゴッサムシティの中だけではない。
一市民のアーサーが「あちら側」に堕ちていく様は、決して映画の中だけでなく、現実にも通じているようで薄ら寒くなった。
暗澹たる気分を象徴するかの様な長く暗い階段を登っていくアーサーと、鮮やかなスーツを身に纏い、軽やかなステップで階段を下るジョーカーの対比。
こんな救われない世界なら狂った方がマシだと吹っ切れた姿に共感してしまうほど、ジョーカーの立ち振る舞いが格好良く見えてしまった。
それにしてもホアキンの演技。ジョーカーへと変貌していく様は素晴らしかった。