うにゃ子

ジョーカーのうにゃ子のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.8
カメラワークが特に好きでした。
映画というよりMV寄りの撮り方で、色も濃いのでスタイリッシュな作品という第一印象でしたが、そのままラストまで駆け抜けます。
フランク・シナトラのThat's Lifeは、時計じかけのオレンジの雨に唄えばを彷彿させました。

アーサーがジョーカーになる瞬間、ジョーカーが誕生する瞬間は号泣·····
なんとかバランスをとって社会に適合しようとしていた彼がそれを諦める瞬間、ホアキン・フェニックスのあの表情、忘れられません。
彼の救いようのない闇、連鎖する闇、彼にはトランキライザーの様に作用する殺人がそこにある。

生放送が打ち切られたあと、誰もいないテレビ局のモニタールームのカットが好きです。
あの部屋からモニター越しで眺めると、どんな惨劇も現実はまるで全て喜劇に見えてしまう、そんな部屋に見えました。テレビをつくる製作者サイドの視点であり、特に当時は力のあったテレビというメディアの滑稽さと恐ろしさを感じる印象的なカットでした。

何度も観たくなるタイプの映画ではないけど、視覚的にも美しく、印象的なシーンも多いので強烈に記憶に残りそうです😢
うにゃ子

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