狂気のヒール、ジョーカーが生まれるまでを描いた話題作、観てきました。
かなり期待に胸膨らませていきました。
感想ですが、素晴らしかったです。
ジョーカーが生まれるまでの物語がしっかりと描かれていました。
やはり、家族に愛されていない子ほど歪んで育つのも無理ないよなということを改めて思いましたね。
今作はフィクションですけど。
本当悲劇の連続で可哀そうなほどでした。
あれだけ負のエネルギーが溜まれば爆発してしまうのも理解できる気がします。
失うものも無いですし。
幼少期の経験が病気や妄想性障害につながったと思いますし、妄想と現実が入り乱れて、
自分でも理解できなくなっている様は悲しさと恐怖を感じました。
出自に関する真実を知った瞬間がすべてを失った(捨てた)瞬間でしょう。
ジョーカー誕生の瞬間でした。
なぜ悪のカリスマに人々が熱狂するのかという点で、
普通の人は普段、人間の本能を抑制しているため、それをむき出しにしているヒールに憧れるのだと思います。
本来はムカつく人がいたら殴りたいけど、法で裁かれるから我慢する。
悪の側面はみんな本能的に持っているけど、抑制している。
故に抑制しない姿に魅力を感じる。
これかなと。
あとは、世の中に閉塞感が充満したときにカリスマが生まれるということですね。
俺たちの代弁者だと。
こんなことを思いました。
ホアキン・フェニックスの怪演は見事でした。
オスカー間違いなしかなと。
どん底から狂気のヒールになるまでをしっかりと演じ切ってました。
鬼気迫るものがありましたね。
スーツをビシッと決め、颯爽と歩くジョーカーは格好良すぎました。
鑑賞直後、ふと「タクシードライバー」に似てるなと思いました。
狂気的に自問自答を繰り返し苦悩する若者の思いが爆発する感じ。
そして、デ・ニーロが権力側にいるっていうコントラスト。
狙った配役なら鳥肌ものです。
長くなりましたが、色々語りたくなる魅力ある作品です。
重厚で世の中へ強烈なメッセージを放つ映画だと思います。
群集心理を煽るという意味で権力の側から警戒されるのも理解できる気がします。
気になる方は是非劇場でご覧ください。
バットマンの人物相関図を頭に入れておくとより楽しめます。
最後に記憶に残ったセリフを紹介して終わります。
「悲劇か喜劇かを決めるのは主観(自分)だ。」
以上、「ジョーカー」レビューでした。