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ジョーカーの4747のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.9
難しい映画だった。

道化師の装いのまま涙を流し、それでもなお、無理やり口角を持ち上げ不気味な笑顔を作る男、アーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)。自らの意思とは無関係に笑い声を上げてしまう障害を持ってもり、周囲からは嘲笑され、蔑まれながら生きていた。いつか憧れのテレビ番組に出演することだけを生きがいに…。

バットマンの悪役、JOKERがどうして生まれてしまったのかを描く本作。前評判の通り、ホアキン・フェニックスが演じるジョーカーはこれまでのジョーカーの中でも、悲哀と狂気のバランスが絶妙で、その生ぬるい感覚がたまらなく不気味であった。
1960年代のゴッサムシティ(ニューヨーク)は格差と暴力に満ち溢れ、まるで現代社会を描いているようだった。
そんな社会の中、暴力によって風穴を空けるんとするジョーカーとそれに導かれるように欲望を発揮する市民の姿は、政府や権力者への反発という免罪符を手に過激なデモや妨害工作を企てるもの達を彷彿とさせ、それらを肯定する本映画は非常に危ういものに感じた。
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