HosoYankovic

ジョーカーのHosoYankovicのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
IMAXで鑑賞。経済格差というよりも愛情格差によってある程度人生の末路が規定されてしまう怖さを感じる映画だった。幼少期に自己肯定感と愛情を受けて育っていない人間はやがて愛着障害をもらたし、アイデンティティを求めて迷走する。母親の妄想性人格障害と虐待に翻弄されて自身もパーソナリティ障害に苦しむ主人公が全てをリセットして初めて自分の人生を築き始めるのが一般社会的には悪党とされてしまうカテゴリーに属してしまう仕組みがリアルに感じとれた。犯罪者にとっては決して異常ではなく、生きる為には仕方ない行為だと共感を求めるレベルまでに作りあげる作品性は素晴らしく猟奇的犯罪を犯す人間の心の闇と犯罪心理を非常に理解出来る最近では珍しい作品。映画のパージシリーズが若者に受けているからか意外にも若者客が多いのも納得。DCもこういった作品が増えるとマーベルと違った厚みが出て良いなと思った。