なっちゅ軍曹

ジョーカーのなっちゅ軍曹のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
作品の面白さについては僕がとやかく言うまでも無いくらい面白いのですが、それよりもみんなのレビューが上手くて嫉妬で狂いそうです。僕だって映画を見つづけて二十余年、映画の感想を書き続けてい十余年、この手の映画を観ると何か気の利いた事とか、鋭い視点で感想を書いてやろうとか思うのですが、如何せん書けない。気の利いた事とか思いつかないし、鋭い視点も持ってない。現代社会との関連性とか、普遍的なテーマ性とか、アメコミ映画としての位置づけとか、豊富な知識から繰り出される独自の視点で切り込みたい。他の鑑賞者から「分かる分かる!」という賛同や「なるほど!」という賞賛を得られたい。しかしそんな知識も知見も無いので仕方が無い。口惜しい。巧い感想を書く人たちが憎い。僕が書ける感想なんて「ホアキンすごい」「脚本がすごい」「構成がすごい」「階段でダンスは危なくてハラハラした」くらいなもんで、どうせ誰も僕の感想なんて読んでないんだ。そうか、これがジョーカーが抱いていた感情か。誰からも認められない。誰も自分を顧みない。誰も見てくれないのであれば、無理矢理でも認めさせてやる。自分を見下した奴を見返してやる。そういう気持ちが僕にもある。僕はジョーカー側の人間なんだ。僕の中の承認欲求という名のジョーカーがむくむくと肥大化し、いつか暴れ出した時にホアキンのように上手にダンス出来るように練習をしておこうと思える踊りたくなるような映画でした。