バットマンのジョーカーは生まれ持ってのワル、ゲロ以下の匂いがプンプンする系の悪。DIOやフリーザと同じ、唯一無二のカリスマ性を有しているため、到底真似できっこない故のかっこよさがある。
本作のジョーカーはかっこよくはない。むしろかわいそうな人。自分と共通する不遇をたくさん持っている人。そこが危ない。社会的弱者の衝動的暴力行為が社会的情勢とマッチして、市民の本当のヒーロー、アイコンとして祭り上げられる。しかも映画では音楽や演出でドラマチックに。
アーサーがジョーカーになって笑うシーン。
受け入れてくれる大勢の人達がいると思っての笑顔なのか、ピエロとしての笑顔なのか分からない。
人を笑わすためのピエロなのに、周りの人達は誰一人として笑ってない。
少なくとも僕にはアーサーは全く救われていないように見えた。
