音楽、演出、演技。
とても良質な映画に仕上がっています。
ダークナイトでは理解不能な行動で狂気のキャラクターだったジョーカー。
一方、本作では彼の生い立ちを主観で描くことで、彼の思考と行動に、理解と納得感を感じさせられてしまう映画です。
本作は、社会が彼を産んだというメッセージが籠っています。
偏った政治によって生まれる多くの理不尽。病気や障害で無意味に負わされる足枷。暴力。嘘。満たされない承認欲求。
そんな孤独と重圧に対する自己防衛として
内なる狂気で自分を覆ってしまう。誰しも共感できる心理ではないでしょうか。
ホアキンフィニックスの問いへの所感。
「彼は果たして社会の犠牲者なのか。」
彼自身が狂気に堕ちた点において、彼は犠牲者では無いと思います。
ただ彼の狂気を増幅させる風潮にいた住民は皆社会の犠牲者です。
漂うタクシードライバーの雰囲気。
からのデニーロとの共演とクライマックスはやられました!