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ジョーカーのにののレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
人間は環境で出来上がる生き物だ。

誰かがそう言っていたのを思い出した。
罪を犯したから悪いのか。そうではなく、なるべくして犯してしまった罪もある。
悪は生前悪ではなく、その理由がある。
"普通"を求める人間社会では、普通に生きることを苦としないことが必要である。だからこそ普通に生きることが大変な人間はどうなってしまうのか。
純粋に感情を吐き出したらどうなるのか。

ジョーカーになってしまった男の苦悩や奔走が痛いほど伝わる映画だった。
彼は悪ではない。言い表すならば悪になりきれない。彼の優しさや温かさが悪ではなく、誰かのためである。悪に見える側面は、彼の正義でもある。

普段、何かを抑圧している人間には重くて苦しいシーンがあるので精神的にクる内容だが、主人公が感情やありのままの姿に解放される様は美しく魅了される。
人間本来の感情を表したらこんな動きをするのか。こんな表情をするのか。

悪に染まる男は世界に何を思っていたのか。
悪に染まると言えば、ついこの前、肛門に痒みが走ったので咄嗟にメンソールのリップを塗ってみた。
するとあろうことか毛に絡まったと思う束の間、肛門は唸りを上げながらリップを啄み喰らい、飲み込んでしまった。あげくゲップをした。
私の体内に制御できないほどの悪が潜んでいるといっても過言ではないだろう、
にの

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