「狂っているのは、自分か、セカイか」
実はジョーカーが登場する作品を何も見ずに鑑賞したので、「あの」って言われてもそんなにピンとはきてなかったのですが、1人の男が徐々に狂気に染まっていく様があまりにも鮮烈でした。
時代設定は現代よりも前でしたが、貧富の差が拡大し、ポピュリズムが蔓延っている現代にも通じる狂気だと思います。
自分が生まれ育った環境、周囲からの視線、理想と現実、そういった様々な要因が全部悪い方向に向かった結果「ジョーカー」が生まれたのであって、アーサーが元から残虐な人間だったとは思えません。だからこそ、素顔を見せずに周囲に同調する群衆の方が怖かった。
それにしても最近は本作やら『IT』やら、本来は人を笑わせる仕事のピエロがただただ恐怖の象徴になってしまっているのはちょっと悲しいですね。。