「愛はとまらない」
そのイントロが流れ出した途端に感情の高ぶりは抑えられない。もはや映画挿入歌として定番の風格すら漂うスターシップの名曲。
ある時は恋人たちの夜のドライブを盛り上げ（『マネキン』）、ある時は双子の姉弟の永遠の絆を歌い上げる（『スケルトン・ツインズ』）。
ロマンティックを彩るマスターピース。それはすべての愛と訳される感情の結びつきを讃える。
とすれば、新たな“家族”の誕生を祝福するハッピーエンディングに、これ以上の選曲があろうはずもない。
たとえ、ご都合主義の介在する物語に偽善の余地があろうとも。一握りの幸福の裏に、数え切れない過酷な“運命”が伏せられているとしても。
そんな欠点を補って余りある愛のまなざしを、否定する気になどなれない。
誰もが欠落を抱え、欠落を埋め合う関係にこそ愛が生まれるのだとしたら──エンドロールを見送った今、他ならぬ愛の温もりが私の心を満たすのだから。
とてもそれはパーソナルな感慨に浸りながら。
広い世界の大きな問題はまた別の名画に語りうるとして。今は、こんなコメディの小品にこそポップに語りうる人生賛歌に、愛も涙もとまらないのだ。
