26歳OLの桃瀬成海は、転職先の会社で幼馴染の二藤宏嵩と再会する。ルックスが良く仕事もできる宏嵩は、実は廃人クラスの重度のゲームヲタク。そして成海もマンガ・アニメ・BLをこよなく愛する隠れ腐女子。周りの人々にヲタクだとバレる「ヲタバレ」を何よりも恐れている成海はその本性を隠しており、真実の自分をさらけ出せるのはヲタク友達の宏嵩の前だけ。会社が終われば2人はいつもの居酒屋でヲタ話に花を咲かす。男を見る目がない事を嘆く成海に対して宏嵩は「ヲタク同士で付き合えば快適なのでは?」と交際を提案。こうして2人はお付き合うことに。お互い充実したヲタクカップルライフを始めるはずだったが、時に恋愛とは我慢、妥協、歩み寄りが必要なもの。"恋愛不適合"な2人には、数々の試練や困難が待ち受けている。果たしてオタクカップルの恋愛は上手くいくのかという物語。
個性が強いオタク同士の不器用な恋愛模様は見た事がなく新鮮だった。3次元の恋愛をあまりしていないせいか、ぎこちない恋愛の駆け引きや会話のやり取りが微笑ましい。好きなものに対しては、時間も忘れるくらい夢中になって話せるというのは本当に素晴らしい事だと思う。
自分の好きなものは相手に受け入れられるのか、相手が好きなものは自分は受け入れることができるのか、といった恋愛や趣味に共通するようなテーマは考えさせられた。
成海が宏嵩にLINEの交換を申し出るシーンは面白かった。普通に交換すればいいだけなのに、今は無き「ふるふる」機能を使って2人で横並びでシャカシャカスマホを振っている光景は笑った。
コミケには人生で1回も参加したことがないから、会場の雰囲気だけでも楽しめて良かった。
劇中のミュージカルシーンが正直苦手だった。よく分からないタイミングで歌って踊り出すし、ミュージカルシーンも長くて多いからみているのがしんどかった。
高畑充希は舞台にもよく出演してて、声質が良く歌が上手いので最後までお見事な歌唱力だったと思う。エンディングで流れる『残酷な天使のテーゼ』に似た曲がとても良かった。ムロツヨシと菜々緒のミュージカルシーンは何とも言えない微妙な感じ。
賀来賢人のアイドルオタのキャラがクセ強すぎて凄く好みだった。もう彼の言動全てが意味わからん。斎藤工の感じの悪い上司キャラも酔うと人格が変わって面白い。
コロナ期くらいからアニメやゲームが好きな人が以前よりも一気に増えた印象。昔はアニメやゲームが好きな人=オタクみたいなイメージがあったが、今じゃそれが当たり前の時代でグッズ集めや時間を費やし探究している人=オタクみたい感覚が個人的にはある。何も趣味がない人より、熱量を持って夢中になれるものがあるオタクは凄いと思う。
登場するアニメやゲームを知っている人だとより楽しめると思う。アニメやゲーム、アイドル、声優について語る高畑充希と山崎賢人が見れる貴重な作品。