ゆぅ

十二人の死にたい子どもたちのゆぅのレビュー・感想・評価

3.5
正直、借りて観ようという候補の中には入ってなかったです。

金曜ロードショーでどこまで話が広がるんだろうと思って観ていたけど、
最後の杉咲の話や真剣佑の主張、皆が手を挙げて笑顔で帰っていくラストに号泣してしまった。
観わず嫌いはいけないなぁと反省。

「たまたま不幸がそこにあって、僕らはそれに出会ってしまっただけ」

ある意味僕らは選ばれし者。
悲しいことや辛いことは、それに耐えられる者に与えられるという。

だけど、悲しさや辛さってどれくらい人に必要なんだろう。
それを経験した分、人に優しくなれるってのはきれいごと?

ごめん、僕らはそんなに強くない。
だけど、僕以外に誰か死にたい人がいて、その人に会ったとき、生きてほしいと思う自分に驚く。
死にしがみついていたんじゃなく、
生にしがみつく自分に出会う。

死に取りつかれるのは同時に生に取りつかれているということ。

生と死は身近だから。
ゲド戦記でも言ってた、
「死んでもいいとか、永遠に死にたくないとか、そんなのどっちでも同じだわ。ひとつしかない命を生きるのが怖いだけよ。」

僕らはそんなに強くない。
死にたいって気持ちは悪いことじゃない。だって、それは一生懸命生きている証拠でもあるから。

僕には想像しがたい辛さを経験した人、あるいはしている人がいるんだろう。

今もこの瞬間どこかで、、

その人に生きろとか強くなれとか言えない。だけど、目に見えない人たちに思いを馳せて、生きていて欲しいと思う。

だって、死んだらそこで終わってしまうから。

もし、自分が弱くてどうしようもないと思っているならそれは間違いだ。
強くなんかならなくていい。
自分の抱え込んでいるものを隠す必要もない。
人は人に傷つけられるけど、人は人に救われもするから。
それとは逆に誰かを救うこともできる。
それは同時に君を生かし救いもする。



強くなるための悲しみなんて
ほんのちょっとでいいと僕は思った

その人が生きていくのも辛くなるくらいの悲しみなんて
いらないって僕は思う

それに強くなってしまったら
人の弱さに寄り添えないときがある
このくらい大丈夫
このくらい平気

そうして自分が経験してきた悲しみと比べちゃう
そうして誰かの悲しみを自分の強さが
無かったことにしてしまう

死にたいと思って集った彼らは、
お互いの一番の理解者だったのかもしれない。

死にたいと思う彼らは、
もしかしたら他の人以上に自分の生とちゃんと向き合っていたかもしれない。

自分という人間をちゃんと生きたいと思うからこそ、現実と理想のギャップに苦しむ。
自分という価値を彼らは死んででも守ろうとしていたのだ。

でも、死んだらそこで終わってしまうから。

これ以上、自殺者が増えてほしくない、
今の若い子達はあまりに多くのことを背負い込んでいる、そんな彼らを救えるのは同じ経験をした僕ら周りの大人たちだし、救う義務がある。そんなことを思う映画です。(ちくはぐな感想となってしまった…反省(´・ω・`))



真夜中



僕は静寂の中で



まだ会ったことのない人たちを想う



いまこの瞬間にも



誰かが殺されていて



いまこの瞬間にも



誰かが事故で亡くなっていて



いまこの瞬間にも



虐待を受けている子供がいて




いまこの瞬間にも



実の親に犯されている女の子がいて



僕は静寂の中で



そんな人たちの心の叫び声に



耳を傾ける



声にならない心の叫びが



僕には聞こえてくる





僕はなかなか寝ることができない





僕は無力だ



悲しくて、泣きそうになる



いまこの瞬間



誰かが泣いている



産まれてきたことを恨んでいて



生きていくことに無気力になっている



時間が解決してくれるとは言うけれど




それは本当に傷ついた人が言ってる言葉なの



そんな事を思ってしまう




一度大きく傷つけられた人は




一生忘れることなんてできないだろうから



一生許すことも



一生人を信じることも



ないと僕は思う



傷は消えない



そしてそれを持って生きていくことは




これから相当闘わなくてはならないということ



僕はそんなネガティブなことしかいえない



つまらない人間なのだ



僕はいまこの瞬間にも



自分を自分で傷つけながら生きている人に



誰かから傷つけられている人に



思いを馳せる



誰かが泣いている中で



僕はなかなか寝れない



誰かが傷つけられていることが



僕にはもう



……



偽善だと言われても



変わっていると言われても



どうでもいい



僕は自分がひどく無力なことに



本当に辛くなるのだ



産まれてきたことを恨んでしまう人生を



送らざるを得ない人




産まれてくることがどれだけの



確率か分からないほど奇跡的な出来事なのにそれを



心の底から喜べない人



幸せの偏りが



この世を死へと導く



みんな愛を知る権利がある



みんな幸せにならなければならないのだ



だからどうか



人を傷つける人に罰を



人に傷つけられた人に幸福を



そんな事を思う一方で



命を浪費してしまっている僕には



神様、仏様、どうか勇気をください



人を愛する勇気を



人を信じる勇気を



自分をさらけ出す勇気を



そして一人でも多くの人を救える優しさをください。
ゆぅ

ゆぅ