ハニルくん

悪魔はいつもそこにのハニルくんのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
5.0
なかなかすごい作品。気分が悪くなる胸糞映画ではあるが、鋭いテーマではあった。最終的に青年になる主人公(『Spider-Man: Far From Home』のトム・ホーランド君)の、父母が初めて出会うところから、母がガンにかかって、父が特殊な狂信的キリスト教信仰によって母を治そうと、祈祷に明け暮れ、息子の愛するイヌを供え物として殺して十字架につけるなどの悲劇から始まり、周囲の人々もそれぞれに狂信的信仰や偽善的信仰によって犯罪を犯していく様子が描かれる。結局は、犯罪を犯すような人々が、歪んだキリスト教信仰を持っている、ということに過ぎないのだが、いずれにせよ、父の異常行動と、祈っても母が救われなかったことによって信仰を離れた主人公と、偽善の信仰を語りながら異常な犯罪を犯していく人々との対決となる。「悪魔はいつもそこに」という題名のとおり、神を信じるものが悪魔の虜になっていくという話だった。