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悪魔はいつもそこにのENDOのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
4.0
舞台であるオハイオ州ノッケンスティフの由来は、夫が浮気していると妻が牧師に相談した際に「knock 'em stiff(こてんぱんにやっつけろ)」と助言したという説と密造酒に使われる俗語説の2種類あるようだ。そんな些かキナ臭い地域で同時に起こる、逆ゾディアックみたいな連続殺人(単独犯がカップルを殺すのではなく、夫が妻を若い男に抱かせたあと殺害する)と警官の汚職と牧師の未成年レイプ事件。トムホの少年時代は『アルマゲドン・タイム』の男の子。善意が不条理な暴力で握り潰される。三者三様のクズぶりが凄まじい。アメリカの田舎における八方塞がりの絶望感は容易に暴力に転じる。冷静なトムホの銃捌きに全員あの世に送られるので、鑑賞後の余韻はそう悪くはない。暴力をさらなる暴力で守り切るまさにアメリカ。
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