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悪魔はいつもそこにのmmmounのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
4.0
役者陣のショーケース的な側面をうがって考えてしまう。それくらい豪華。それぞれの従来のイメージを壊すことを目的としていると見られても不思議ではない。だけど小手先ではなく、根っこがちゃんとある作品。

シャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ、オハイオ』を彷彿とさせる作風でもあり、そちらの小説にあった一節を思い出した。
ある人がこれこそ自分にとっての真理だと信じ、その真理に従って生きるようになると、その人はグロテスクに変貌してしまうし、その真理もあっさりまがい物になってしまう、といったような一節。

このタイプだと近年では『スリー・ビルボード』が大傑作で、現代的な軽さが活きていたわけだけれど、本作は背景となっている時代もあってか、軽さは取っ払われている。無論、土地柄というのもあるだろう。

どの人物も自分の行為を説明できない。できないからこそ悪魔を持ち出してくるしかない。鑑賞後、タイトルを見てそんなふうに理解した。
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