むらボウズ

居眠り磐音のむらボウズのレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
3.4
魅せる真剣 ナメたら危険

長らく続いた佐伯泰英のド長編小説を松坂桃李主演で映画化。
ピエール瀧問題もあって一時はどうなるかと思ったけど公開されてよかった。笑
NHK製作山本耕史主演の陽炎の辻もちょっと見てたので、見比べる意味でも楽しみにしてた。

確かにすごい気合入れた作品やとは思う。
主役から脇役までしっくりくるキャスティングやったし、要所で挿入される殺陣がまぁ見事なもんやと思ったし。背景なんかもそれなりにキレイで雰囲気抜群に良かったし。主題歌にMISIA持ってくるあたりも間違いなくガチ。笑
しかし、悲しいかなとにかく尺が足りない。
2時間では無理があったか。にしても限られた尺の中、もっと上手く見せられたんじゃないかとも思う。
主人公の磐音に対する惹きつけも弱いし、個性的であろう人物たちが駆け足展開で死んでる。
原作が原作やから続編で掘り下げよう、って考えなのかもやけど。
そんな感じやから自ずと全体的に薄味になってしまった印象。とにかくもったいない。
けどなんだかんだで続編観たくなる幕引きではあったんで、本作の教訓を活かして次回はもっと良くなることを期待する。

余談やけど、今まで私がもらった入場者特典の中で今回もらった特典冊子が一番優秀やった。
原作者書き下ろしの短編と本作の脚本まるまる一本分、最後にインタビュー。
本編補完するのにもってこい。