竹野康治郎

居眠り磐音の竹野康治郎のレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
3.8
「時代劇」というカテゴリーにおいて、食わず嫌いになっている人は多いのではないでしょうか?今回の居眠り磐音は時代劇の良さと現代的な考えが融合することで、非常に見やすくなっているので、是非とも多くの方に劇場で見ていただきたいです。

「時代劇」には様々な制限が伴います。武士や百姓では描き方が違うし、お家柄というのも重要になってくる。その中にある左右されない心情が非常に面白いです。最近ではsearchやクワイエット・プレイス、ギルティなど設定に条件がついた映画が多いですが、時代劇も「その時代の設定」というのが面白さの一つでもあることを感じて欲しいです。

ストーリー展開としては今までの時代劇であまりなかった形で、冒頭40分くらいで思った以上の衝撃的な展開になります。そこから、「人柄」に沿った人情劇へと変化していきます。現代だと、「そこまでやる!?」とは思いますが「時代劇」だからこそ成り立つ部分もある。そして、その「心」を読み解くのが本当にワクワクします。散り椿とは展開が逆になっていて、昔ながらと、今風を見比べるのも面白いかもしれません。

松坂桃李さんの演技はもちろんですが、柄本祐さんが本当に良かったです。あの短時間での陽気さと狂喜乱舞のインパクトを残せるのが凄かったです。


2019年公開作品 72本目
竹野康治郎

竹野康治郎