タカナリ

ムルゲ 王朝の怪物のタカナリのレビュー・感想・評価

ムルゲ 王朝の怪物(2018年製作の映画)
4.0
朝鮮・中宗22年。国に疫病が蔓延する中、仁王山に物怪(ムルゲ)が出るという噂も流れた。民衆の不安を払拭するため、国王は追放された最強の武人を呼び戻した。

朝鮮王朝の歴史を記録した「朝鮮王朝実録」の一筋にある『ムルゲの出現により、宮殿中が大混乱に陥り、王が宮殿を一時退去した』という史実をもとに、監督独自の解釈を加えて描かれた作品。
ムルゲの出現が史実として残っているのがまず驚きですね。本当にいたのか。大袈裟に言っているだけか。

良かったのが、ちゃんとムルゲを作って出した事。モンスターパニックものって良し悪しあって、モンスターを作ってもあまり出さない作品も多々あります。だけどこの作品は結構出てますし、史実通りに宮殿で大暴れします。
造形もちゃんと怖く、気持ち悪かったです。「グエムル」思い出しました。

最初はムルゲが出るか半信半疑でした。
朝廷内には王を引きずり下ろそうという動きがあり、その道具としてムルゲを使っていました。ムルゲが本当にいるとは思っていないので、国民も利用して好き勝手やっています。
「国民の恐怖が作り出した空想の怪物」
それをムルゲとして話を展開させるのかと思っていたら、ちゃんとモンスターとして出したので安心しました。
ムルゲを使い、国民一丸となってこの政治的陰謀も打ち破っていたので、非常に気持ちが良かったです。
国民を侮ってはいけない。

なんとなくで見てみたんですが、個人的に大当たりな作品でした。面白かったです。
娘役のイ・ヘリがすごく良かったし、キム・イングォン演じる父の部下が思った以上に好きになりました。