やまだ

母を亡くした時、 僕は遺骨を食べたいと思った。のやまだのレビュー・感想・評価

3.5
多分いちばんしっかりしてるのはお兄ちゃん

ストーリーはある程度予想つきますし
演出もところどころ古臭くて気になる人は気になるかもしれません
なによりストーリーの起伏が少なく、明確に何かメッセージを伝えてくる映画ではないと感じたので
好き嫌いは分かれると思います

個人的には好きです
身内を亡くしたばかりなので強く共感するところがあったのかもしれません
説教じみた演出もなくて、起伏が少ない反面受け手である私達にメッセージを委ねているようでした
「私はこうだった。君達はどうですか?」みたいな

中盤の病院へ走るシーンは好きです
「おふくろー!」と叫びながら田んぼ道を走る姿を
かつて母が「さとしー!」と叫びながら走る姿と重ねていたのは
家族への思いの強さを表現する演出としてとても良かったです

また、そんなシーンであっても
豪勢なストリングスによる劇伴で「さぁ泣いてください」とやらずに
シンプルな鍵盤ハーモニカなどの楽器のみで抑えたのは好印象でした


人の死を扱っていても、全体的に穏やかで登場人物の感情をさらけ出す姿は牧歌的な美しさがありました
どっしりとこなくともシンと染み入る情緒がある良い映画でした
やまだ

やまだ