パグレ

ザ・サイレンス 闇のハンターのパグレのレビュー・感想・評価

2.9
見てはいけない
明かりを消してはいけない
中に入ってはいけない
外に出てはいけない
返事してはいけない

などなど、ふと思い返してみると「〇〇してはいけない」系の映画もずいぶん増えてきているね。1つのカテゴリとして認識してもいいのかもしれない。
源泉にあるのはトレマーズだろうか?トレマーズ面白いよ!ぜひ見ましょう!

さて、というわけで今回は「音を立てては」いけません。
音を立てると、異常に聴覚が発達した空飛ぶバケモノ(通称ベプス)に見つかってズタボロに食い殺されてしまう。

具体的に言うと、ささやき声での会話くらいならOKっぽい。
まぁ確かに、バケモノたちも木々のざわめきや風の凪ぐ音なんかの環境音にいちいち反応してられやしないので、その辺は理にかなっている。

主人公アリーは幼い頃に事故で聴覚を失い後天的に難聴となった少女。
よって主人公一家は日常会話ができる程度に手話を習得しており、音を出してはいけないサバイバル生活にもそれが活かされている。

アリーが難聴になってから、両親は心配性を発揮してアリー本人よりも苦労しているような描写があったりしますが
聴覚特化型ステータスをもつベプスに対して、聴覚以外の感覚を武器に立ち向かう感じの構図を見ていると
「聴覚が発達している?だから何だ!」
「耳が聞こえなくても生きていけるんだ!」
みたいなメッセージが伝わってくるような気がした

「〇〇してはいけない」系の映画によくあるのが、映画的な見せ場を作るために仕込まれているトラブルメイカー的存在なわけですが
本作にはそういう見ていてイラッとするような憎まれ役が出てこなかったのは非常に良かったです。
その代わりに準備されたのがカルト集団だったのかもね。
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