前評判は裏切らない、っていう感じ。
ハーレイのアクションは「スーサイド・スクワッド」の時より大幅に進化してるし、今回単独映画だけあって映画全体の色もすごくいい。
中盤の警察署を襲うシーン、グレネードランチャーにラメやスモークを込めて撃ちまくるのはすごくカッコよいし色も綺麗。
終盤の遊園地×道化のアクションシーンもこの映画ならでは、って感じで楽しかった。
ハーレイを中心にした女性たちの自立した感じも観ていて楽しい。
このあたりだけでも充分元は取れるって感じで、2時間を映画館で過して大変楽しい。
だけど、どうしても勿体無い、と感じる部分も多い映画だった。
・(コミックスを見ていない身としては)登場人物の行動哲学みたいなものは今ひとつわからなくて、その分人物像がはっきりしない感じを受けるとか。
・警察署のシーンで、余りにも警官が無能オブ無能に描かれていて(ゴッサムの警察は汚職まみれて頼りないのかもしれないけれど)、緊張感に欠けてしまうとか。
・残虐なシーンが映画全体のカラーと合っていなくて唐突に感じるし、消化し難くなっていることとか(DC&ワーナーの映画では、ずっとこの暗いカラーを重視しているみたいだけど、必要な時に振り切れないと、意味もないのに突然暗いシーンが挿入される違和感がいつも付き纏う、っていう気がする)。
・敵ボスのマスクの造形があんまりにもダサいこととか(元デザインのことではなくて、細かなテクスチャとかでティールとかのお話で)。
アメコミ関連作品っていうことでどうしてもアベンジャーズシリーズを頭の片隅に浮かべてしまうのだけれど、アベンジャーズシリーズ/MCU作品に比べて、映画同士の繋がりが薄い割に作品カラーもあまりはっきりしない印象になってしまうのはちょっと残念だな。
多分MCU作品の予算とクオリティが高すぎるので、それに慣らされてしまっているだけな気はするけれど。
単独の映画としては充分楽しめるし愛されるべき映画、と思いました。